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電力自由化
なぜ安くなる?電力自由化の仕組みを図解!メリット・デメリットは?

なぜ安くなる?電力自由化の仕組みを図解!メリット・デメリットは?

  • 電力自由化は知っているけど、仕組みが分からない
  • 電力会社を変えるとなんで安くなるの?

最近、東京ガスなど新しい電力会社のテレビCMが放送されていたり、電力自由化の認知度が高くなってきていますよね。

でも、いまいちピンと来ていないのではないでしょうか?

私も東京電力を使っていたときは、

電力会社を変えるとかちょっと不安だし、めんどくさそう…

と思っていましたが、実際に電力会社を変えてみると、
手続きもスマホでできますし、毎月の請求も安くなってものすごく満足しています。

そこで、この記事では、

  • 電力自由化の具体的な仕組み
  • どうして安くなるのか?
  • メリット・デメリット

を説明していきます。

新しい電力会社やプランには興味があるけど、仕組みが理解できないと一歩踏み出せないという人は参考にしてみてくださいね。

電力自由化のきっかけは東日本大震災

電力の自由化が始まったきっかけは、皆さんの記憶にも新しい2011年3月11日東日本大震災の「福島第一原子力発電所事故」でした。

このような悲惨な事故を境に国民だけでなく、政府も今までの電力供給システムに限界を感じ以下の3つの目標を掲げました。

安定供給の確保

先の震災の影響により、全国各地では停電状態になりました。また、原子力発電に対しての反対運動も盛んになったことから、国としては火力発電がメインになり、風力や太陽光などの自然エネルギーに比重が置かれるようになりました。ですが、天候や日照時間にも左右されるため、安定した電気を作り上げることはできません。そのため、このような事故や災害、不安定な発電が起きるような状況でも安定した電気を供給できるようなシステムを作り上げます。

電気料金の抑制

原発事故によって、原子力発電に対する国民からの避難やデモ運動が起こりました。そのため、現在では火力発電で日本での主な発電方式になっています。火力発電の場合、石油燃料を使うことから、以前よりもコストがかかるようになります。そこで、各種事業者の経営努力や競争によって電気料金を引き下げることになりました。

自由度の高い電力システムの確立

今までの電気会社といえば、東京電力や関西電力といった地元の電力会社の寡占状態でした。ですが、電力事業に関しては新規参入を促すことによって、各社様々な料金プランやサービスを生み出し、我々のニーズに合った選択をすることができるようになりました。

ちょっと難しいかもしれないので、簡単にまとめると・・・

新しい電力会社の参入を認め、企業同士を競わせることで価格の安く、より安定した電力を提供するという意図があります。

電力自由化のメリット
  • 原子力、火力だけに頼らない発電⇒災害時にも安定した電気を使える!
  • 電力会社を競わせて、価格競争を煽る⇒電気料金が安くなる!
  • 独自のサービスが生まれる⇒自分に合ったより良いサービスを受けられる

電力自由化の仕組み-安全性の高い新しいシステム-

電力事業は大まかに分けて、電気を

  1. 作る(発電部門)
  2. 送る(送配電部門)
  3. 売る(小売部門)

の3つに分けることができます。

今までは契約していた東京電力などの地域の電力会社は電気を作る・送る・売るの3つすべてを行っていました。

実は、それとは別に発電のみを行う電力会社があります。

発電のみしか行うことができないため、作った電気は地域の電力会社が買い取り、各家庭に送っていました。

今回の電力自由化では売る部門が全面自由化になります。

そのため、今まで発電しかできなかった電力会社が直接、各家庭に電気を販売することができるようになり、私達はどの電力会社から電気を買うか選べるようになります。

例えば、

  • より安い料金プランの電力会社を選ぶ
  • 太陽光発電や水力発電などの再生可能エネルギー発電をしている電力会社を選ぶ

といった自由な選択ができるようになりました。

もし契約した電力会社に問題があったら停電しないの?

電力自由化でもっとも心配されていたのは、「契約した電力会社の事故や倒産で停電になってしまうのでは?」という懸念です。

確かに東京電力はかなり大きな不祥事があっても国に守り、倒産しない仕組みになっていましたが、新しい電力会社に関しては普通の企業と変わりないので、倒産のリスクはもちろんあります。

しかし、今回の電力自由化では「送る(送配電部門)」は自由化されていないため、停電の心配はないシステムになっています。

もし、契約した電力会社に事故や倒産といった何かしらの問題があり、発電ができなくなったとしても地域の電力会社が代行して、家庭に電気を送る決まりとなっています。

なので、災害などで電線などの送電網がやられない限りは、停電の心配はありません。

逆に言うと、新電力会社に乗り換えれば、仮に東京電力の発電所がストップしたとしても契約した電力会社と送電網は生きているので、電気を使い続けることができます。

地域の電力会社(東京電力、関西電力など)の発電方式は原油を使った火力発電や原子力がいまだにメインです。

そのため、原油価格高騰で値段が上がる可能性や原発事故のリスクも抱えた状態です。

原油の産出量は年々減っていますし、原子力発電に関してもおざなりのまま国会での議論はほとんど進んでいない状態です。

そう考えると、私達の家計や安全を守るなら、太陽光や水力、地熱といった再生可能エネルギー発電をメインにしている心電力会社を選んだほうが停電リスクは少ないといえますね。

電力会社の変更で工事は必要?

電気を送る(送配電部門)は従来と変わりないので、大規模な工事は不要です。

ただし、ご自宅の電気メーターがアナログメーターの場合は、スマートメーターへの設置工事が必要です。

・アナログメーター

・スマートメーター

スマートメーター

アナログメーターは検針員が自宅まで訪れて、手動で電気使用量を図る昔ながらの電気メーターです。

スマートメーターは遠隔操作で電力会社が電力使用量を図ることができるデジタルの電気メーターです。

2020年頃までには日本全国の家庭でスマートメーターに変更予定になっています。

もし、現在アナログメーターを利用している場合、新電力会社に申し込んだと同時にスマートメーターに変更してくれますし、取り付けは30分ほどで終わり、費用はかかりません。

もちろん、現在スマートメーターを利用している場合は、ネットや電話での手続きのみの工事不要で電力会社を変更することができます。

電力自由化のメリット・デメリット

電力自由化には、

  1. 今までよりも安く電気を使うことができる
  2. より安全に低リスクで電気が使える
  3. 再生可能エネルギーで発電された環境に優しい電気を使える

というメリットがあります。

特に1番目の電気代が安くなるのは、嬉しいですよね。

私も電力会社を変更してから1年ほどになりますが、同じ電気の使い方で年間2万円ほど安くなりました。

正直言って、電力自由化によるデメリットはほとんどありません。

強いて言うのであれば、

  • 新電力会社への手続きをしないといけない
  • アナログメーターを利用していたらスマートメーターへの取り付け工事が必要
  • 新しい電力会社が多くてどれがいいか分からない

くらいです。

手続き自体はスマホからいけますし、設置工事がある場合も30分程度(立会不要の場合あり)で終わります。

ただ、一番難点なのが、「どの電力会社が自分にとってお得なのか?」です。

各家庭によって、電気の使用量や生活サイクルが異なるので、一概にどの電力会社がお得とは言い難いです。(1人暮らし or 3人暮らし / 朝型 or 夜型など)

そのため、重要なのは、電力会社をしっかりと比較すること。

電力会社の正しい選び方」では、電力会社を選ぶうえで必要な11のポイントをまとめてあります。

一番良くない安易な選び方は、

  • 電力会社の比較サイト(エ○チェンジとか)を使う
  • ダイレクトメールや営業の電話に乗せられて契約する

など、しっかりと考えずに契約してしまうことです。

確かに安くなることがほとんどだと思うのですが、実はもっと安い電力会社があったりするので、お得度は少なくなってしまいます。

(大手の比較サイトは広告費で表示を変えてたり、営業もノルマがあるので仕方ない気がしますが・・・)

電力会社の変更は下手な節約術よりも確実にお得です。

わざわざ安いスーパーに遠出したり、外食をケチったりすることもなく、今までと全く同じ電気の使い方で無条件に年間数万円削減できるのは、電力会社の乗り換えくらいです。

これを機会に電力会社を変更して、より豊かな生活を送りましょう!